スマホの性能を比べるとき、よく目にする「ベンチマークスコア」。でも、あの数字は何を意味していて、どうやって測るものなのか、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、スマホのベンチマークテストの基本から、主要な測定アプリの特徴、スコアの正しい見方までをわかりやすく解説します。これからスマホを買い替えようと考えている人も、手持ちの端末の実力を知りたい人も、ぜひ参考にしてください。
そもそもスマホのベンチマークテストとは?
ベンチマークテストとは、スマホの処理能力を数値化して評価するための性能測定テストです。簡単に言えば、スマホに「決められた作業」をさせて、どれだけ速く正確に処理できるかを点数化したもの。このスコアを見ることで、機種間の性能差を客観的に比較できるようになります。
スマホの内部には、頭脳にあたるCPU(中央処理装置)、画像処理を担当するGPU(グラフィックス処理装置)、そしてメモリやストレージなど、さまざまな部品が搭載されています。ベンチマークテストでは、これら全体の処理能力を総合的にチェックするのが一般的です。
なぜベンチマークスコアが重要なのか?
メーカーの公式スペック表だけでは、実際の使用感や処理能力の高さをイメージするのは難しいもの。ベンチマークスコアは、数値というわかりやすい形で性能を示してくれるため、購入時の判断材料として非常に役立ちます。
ただし、あくまで「一つの指標」である点には注意が必要です。スコアが高ければ必ず使いやすいとは限らず、実際の操作感やバッテリー持ち、カメラの写りなど、スコアだけでは測れない要素もたくさんあります。
主要なベンチマークテストアプリ3選
ベンチマークテストと一口に言っても、測定アプリによって評価の得意分野が異なります。ここでは、代表的な3つのアプリを紹介します。
1. AnTuTu Benchmark – 総合性能をひと目で知りたい人向け
AnTuTu Benchmarkは、スマホのベンチマークテストと言えばこれ、というほど有名な総合評価アプリです。
CPU、GPU、メモリ、UX(ユーザー体験)など、複数の項目をまとめて測定し、ひとつの総合スコアを算出します。この「AnTuTuスコア」は、多くのレビューサイトやユーザー間で共有されており、機種間の比較データが非常に豊富なのが強みです。
特徴とメリット
- 総合スコアひとつで端末の性能を直感的に把握できる
- インターネット上に比較データが多く、他機種との差がわかりやすい
- 計測結果が細かい項目別にも表示される
デメリットと注意点
- Android版はGoogle Playストアからダウンロードできない(後述)
- バージョンアップごとにスコアの算出方法が変わるため、異なるバージョン同士の比較はできない
こんな人に向いています
- スマホの総合性能をひと目で知りたい人
- 多くの人が使っているメジャーなツールで測定したい人
こんな人にはあまり向いていません
- Google Playストア以外からのアプリインストールに抵抗がある人
- ゲーム性能など特定の項目だけを深く知りたい人
2. Geekbench 6 – CPUの処理能力を正確に測りたい人向け
Geekbench 6は、CPUとGPUの処理性能に特化したベンチマークテストアプリです。
特に「シングルコア」と「マルチコア」のスコアが有名で、これはスマホの頭脳がひとつの作業を処理する速さ(シングルコア)と、複数の作業を同時に処理する能力(マルチコア)を表しています。
特徴とメリット
- Google Playストアから安全にインストールできる
- 実際の使用シーン(Webサイト読み込み、PDFレンダリング、写真編集など)を想定したテスト内容
- AndroidだけでなくiPhoneやPCなど、異なるプラットフォーム間での性能比較が可能
デメリットと注意点
- 総合的な「スマホの使いやすさ」よりもCPU処理能力にフォーカスしている
- AnTuTuのようなUX評価は含まれていない
こんな人に向いています
- スマホの「処理能力」を純粋に知りたい人
- iPhoneとAndroidなど、異なるOS間で性能を比較したい人
こんな人にはあまり向いていません
- ゲーム性能(グラフィックス)を詳しく知りたい人(その場合は3DMarkがおすすめ)
3. 3DMark – ゲーム性能を重視する人向け
3DMarkは、ゲーマー向けのグラフィックス性能(GPU)に特化したベンチマークテストです。
「Sling Shot」「Wild Life」「Steel Nomad」など、デバイスの性能に応じた複数のテストがあり、スマホがどれだけ重い3Dゲームを快適に動かせるかを評価します。
特徴とメリット
- Google Playストアから安全にインストールできる
- ゲームプレイに直結するGPUパフォーマンスを正確に評価できる
- 他のユーザーや5,000種類以上のデバイスとスコアを比較できる機能がある
デメリットと注意点
- 総合性能ではなくグラフィックス性能に特化している
- 高負荷なテストのため、実行中に端末が発熱しやすい
- 各テストには動作要件(OSバージョンや対応グラフィックスAPI)がある
こんな人に向いています
- スマホで重い3Dゲームをプレイしたい人
- ゲーミングスマホの購入を検討している人
こんな人にはあまり向いていません
- ゲームをあまりしない、または軽いゲームしかしない人
- スマホの総合性能をひとまず把握したい人
AnTuTuスコアの見方と性能の目安
AnTuTu Benchmarkのスコアは、バージョンによって評価基準が変わります。現在の最新バージョンはv11(2026年6月時点)で、以下のような性能区分が目安になります。
- エントリー(~90万点):基本操作やSNS、ブラウジングなど、軽い用途向け
- ミッドレンジ(90万~140万点):普段使いに加えて、軽いゲームも快適に楽しめる
- 上位ミッドレンジ(140万~200万点):やや重めのゲームも安定して動作する
- ハイエンド(200万~280万点):高負荷なゲームや動画編集もスムーズにこなせる
- フラッグシップ(280万~350万点):最新のハイエンドSoC搭載機で、あらゆる用途で快適
- ウルトラハイエンド(350万点~):現時点でトップクラスの性能を持つ端末
ただし、これらの数値はあくまで目安です。スコアが高い端末でも、アプリの最適化状態やOSのバージョン、使用環境によって実際の体感速度は変わることがあります。
自分の使い方に合ったスコア帯の選び方
- SNSや動画視聴がメインの人:ミッドレンジ(90万点~)あれば十分快適です
- たまにゲームも楽しみたい人:上位ミッドレンジ(140万点~)が目安になります
- 高負荷な3Dゲームを毎日プレイする人:ハイエンド(200万点~)以上の端末を検討するとよいでしょう
- 動画編集やクリエイティブ作業も行う人:フラッグシップクラス(280万点~)がおすすめです
各ベンチマークアプリの違いまとめ
3つの主要アプリの違いを簡単にまとめると、以下のようになります。
- AnTuTu Benchmark:総合性能をひとつのスコアで評価したい人向け。最もポピュラーで比較データが豊富。
- Geekbench 6:CPUの純粋な処理能力を知りたい人向け。異なるOS間の比較が可能。
- 3DMark:ゲーム性能(GPU)を正確に評価したい人向け。重い3Dゲームをやる人におすすめ。
自分の知りたい性能に合わせて、測定アプリを選ぶとよいでしょう。もちろん、すべてのアプリを試して、それぞれの観点から端末を評価するのもおすすめです。
AnTuTu Benchmarkのインストール方法と注意点
ここで一つ、重要な注意点があります。AnTuTu BenchmarkのAndroid版は、2020年3月にGoogle Playストアから削除されています。そのため、Android端末にインストールする場合は、公式サイトからAPKファイルをダウンロードする必要があります。
インストール手順の概要
- AnTuTuの公式サイト(https://www.antutu.com/)にアクセスする
- サイト内のダウンロードリンクからAPKファイルを入手する
- 端末の設定で「不明なアプリのインストール」を許可する
- ダウンロードしたAPKファイルを開いてインストールする
セキュリティ上の重要な注意点
APKファイルをインストールする際は、必ずAnTuTuの公式サイトからダウンロードするようにしてください。サードパーティのサイトから入手すると、ウイルスやマルウェアに感染するリスクがあります。
「不明なアプリのインストール」を許可する必要があるため、セキュリティに不安を感じる人もいるかもしれません。その場合は、Geekbench 6や3DMarkのようにGoogle Playストアからインストールできるアプリを選ぶのが安心です。
ベンチマークテストを実行する際の3つのポイント
せっかくベンチマークテストを実行するなら、なるべく正確なスコアを測りたいものです。以下のポイントを押さえておくと、より信頼性の高い計測ができます。
1. バッテリー残量は十分に
バッテリー残量が少ない状態では、スマホが省電力モードに切り替わり、本来の性能が発揮されないことがあります。できれば80%以上に充電してから実行しましょう。
2. バックグラウンドアプリは閉じておく
他のアプリがバックグラウンドで動いていると、処理能力が分散されて正確なスコアが出ません。測定前には、できるだけすべてのアプリを終了させておくのがおすすめです。
3. 発熱に注意する
特に3DMarkなどの高負荷なテストでは、端末が発熱しやすくなります。発熱が進むと、スマホは自己保護のために処理速度を落とす(サーマルスロットリング)ため、スコアが低くなることがあります。冷却した状態で測定するか、複数回の計測で平均値を取るとよいでしょう。
ベンチマークスコアに関するよくある疑問
Q. AnTuTuのアプリがGoogle Playストアで見つからないのはなぜ?
Android版AnTuTu Benchmarkは、2020年3月にGoogle Playストアから削除されました。そのため、現在は公式サイトからAPKファイルをダウンロードしてインストールする必要があります。
Q. ベンチマークスコアは高いほど良いスマホなの?
高いに越したことはありませんが、それがすべてではありません。スコアは処理能力の指標ではあるものの、実際の使い心地はカメラ性能やバッテリー持ち、ディスプレイの品質、OSの最適化など、さまざまな要素で決まります。あくまで判断材料の一つとして捉えるのが賢明です。
Q. 同じスマホなのにスコアが毎回違うのはなぜ?
計測時のバックグラウンドアプリの状態や、端末の温度、バッテリー残量などによってスコアは変動します。また、OSアップデート後にはスコアが変わることがあるのも自然な現象です。気になる場合は、複数回計測して平均値を確認するとよいでしょう。
まとめ:ベンチマークテストを上手に活用しよう
スマホのベンチマークテストは、数値という客観的な形で性能を可視化してくれる便利なツールです。購入前に他機種と比較する際の参考になりますし、手持ちの端末がどの程度の処理能力を持っているかを知るのにも役立ちます。
ただし、スコアはあくまで「一つの指標」に過ぎません。実際の使用感やデザイン、カメラの写り、価格、バッテリー持ちなど、総合的に判断して自分にぴったりの一台を選ぶことが何より大切です。
今回紹介した3つのアプリを目的に応じて使い分け、スマホ選びの参考にしてみてください。AnTuTuで総合性能をチェックし、Geekbench 6でCPU能力を確認し、3DMarkでゲーム性能を試す――そんな使い方もおすすめです。
どのアプリを使うにしても、インストール元には十分注意して、安全にスマホの実力を確かめてくださいね。

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