スマートフォンを選ぶとき、気になるのが処理性能ですよね。とくにゲームや動画編集など、負荷の高い作業をするなら、搭載されているプロセッサの実力はしっかり確認しておきたいところです。
今回は、MediaTekの最新ミドルレンジ向けチップセット「Dimensity 8400-Ultra」のAnTuTuベンチマークスコアを中心に、その実力や搭載機種について詳しく解説していきます。スペック表だけではわからない、実際の性能の目安を知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください。
Dimensity 8400-Ultraの基本スペック
まずは、Dimensity 8400-Ultraがどんなチップセットなのか、簡単におさらいしておきましょう。
このプロセッサは、TSMCの4nmプロセスを採用して製造されています。前世代のDimensity 8300-Ultraと比較して、CPU性能が約41%、GPU性能が約24%向上しているのが特徴です。
とくに注目したいのが、ARMのCortex-A725コアを採用した「全大核」設計。クロック構成は以下のようになっています。
- プライムコア:1つ(最大3.25GHz)
- パフォーマンスコア:3つ(最大3.0GHz)
- 効率コア:4つ(最大2.1GHz)
この8コア構成により、高いマルチタスク性能と電力効率のバランスを実現しています。GPUにはARM Mali-G720が搭載されており、グラフィック性能も十分に高い水準です。
公式発表のAnTuTuスコア
Dimensity 8400-UltraのAnTuTuスコアについて、まずは公式情報を確認しましょう。
本チップセットを搭載するスマートフォンのひとつ、POCO X7 Proの製品ページでは、AnTuTu v10ベースのスコアとして「1,704,330点」が公表されています。
ただし、これはメーカー社内のテスト環境での計測値であり、実際の使用環境や端末の冷却性能、ソフトウェアの状態などによってスコアは変動する点に注意が必要です。あくまでも性能の目安のひとつとして捉えるのがよいでしょう。
メディア実測のAnTuTuスコア
公式スコアとは別に、複数の専門メディアが実機を使って計測したAnTuTuスコアも確認してみましょう。
海外テクノロジーメディアのGizmochinaによるテストでは、POCO X7 ProでのAnTuTu v10実測スコアは「約159万点」という結果が出ています。内訳としては、CPUスコア、GPUスコア、メモリースコア、UXスコアのすべての項目で高いバランスを示しているとのことです。
また、AnTuTu公式が発表した2025年11月時点のミドルレンジクラスランキングでは、POCO X7 Proが1位を獲得。スコアは「186万点超」に達していたという報告もあります。
このように、公式発表値とメディア実測値の間にはやや幅がありますが、いずれにしてもミドルレンジクラスではトップレベルの性能であることは間違いなさそうです。
競合チップセットとの比較
Dimensity 8400-Ultraの実力をより具体的に把握するために、競合製品と比較してみましょう。
主な比較対象となるのは、QualcommのSnapdragon 7+ Gen 3です。こちらもミドルレンジ~サブフラッグシップ向けのチップセットとして知られていますが、AnTuTuスコアはおおむね「144万点~164万点」程度とされています。
この数値からもわかるように、Dimensity 8400-UltraはSnapdragon 7+ Gen 3を明確に上回るスコアを記録しており、ミドルレンジ帯では現在トップクラスの処理能力を持つと言えるでしょう。
実際の使用体感はどうなのか
ベンチマークスコアが高いからといって、実際の使用感がすべて満足できるとは限りません。とくに気になるのが発熱やバッテリー持ちです。
Dimensity 8400-UltraはTSMCの4nmプロセスを採用しているため、消費電力の効率が非常に優れています。前世代と比べて電力消費が最大44%削減されているとのことで、発熱の抑えられた安定したパフォーマンスが期待できます。
とくにゲームプレイ時には、この低消費電力設計が大きなメリットになるでしょう。フレームレートの安定性とバッテリーの持ちの両立がしやすくなっています。
Dimensity 8400-Ultraを搭載するスマートフォン
現時点でDimensity 8400-Ultraを搭載していることが確認されているのは、以下のモデルです。
Xiaomi(POCO)ブランドのスマートフォンで、Dimensity 8400-Ultraを世界で初めて搭載したグローバルモデルです。ミドルレンジクラスながらハイエンドに迫るパフォーマンスを求めるユーザーに注目されています。
XiaomiのREDMIブランドから発売されたモデルで、2025年1月に中国市場で発表されました。POCO X7 Proと同様にDimensity 8400-Ultraを搭載し、高いコストパフォーマンスを実現しています。
なお、これらの機種は主にXiaomi系のブランドから登場しているため、地域によっては入手性や販売チャネルが異なる場合があります。購入を検討する際は、正規販売ルートや保証内容を事前に確認しておくと安心です。
こんな人にDimensity 8400-Ultra搭載機種はおすすめ
高性能なミドルレンジスマホを探しているなら、Dimensity 8400-Ultra搭載機種は有力な選択肢のひとつです。とくに以下のような人に向いています。
- ゲームを快適に楽しみたい人
- 動画編集や写真加工など、負荷の高い作業をする人
- ハイエンドモデルに近い性能を、より手頃な価格で手に入れたい人
- バッテリー持ちとパフォーマンスのバランスを重視する人
一方で、以下のような人には必ずしも最適とは言えません。
- 最新のフラッグシップ向けチップセット(Dimensity 9000シリーズやSnapdragon 8シリーズ)にこだわりたい人
- Xiaomi系以外のブランド製品を好む人
- カメラ性能やデザインなど、プロセッサ以外の要素をより重視する人
よくある質問
Q. AnTuTuスコアはどのくらいの頻度で変わるのですか?
AnTuTuベンチマークはバージョンアップのたびにスコア算出方法が変更されることがあります。また、同じ端末でもOSアップデートや温度環境によってスコアは変動します。そのため、異なる時期や異なるバージョンでのスコアを単純比較するのは避けたほうがよいでしょう。
Q. Dimensity 8400-Ultraは発熱しやすいですか?
TSMCの4nmプロセスと全大核設計により、電力効率は大きく改善されています。公式情報でも前世代比で消費電力が大幅に削減されているとされており、発熱面でも信頼性の高い設計と言えます。
Q. Snapdragon 8s Gen 3と比べてどうですか?
厳密な比較には実機での検証が必要ですが、AnTuTuスコアの傾向としてはDimensity 8400-Ultraがミドルレンジ~サブフラッグシップ帯で非常に高いパフォーマンスを発揮していることは確かです。ただし、ゲーム最適化やアプリの互換性など、実使用における細かな差は機種ごとに異なるため、実際のレビューも参考にするとよいでしょう。
まとめ
Dimensity 8400-Ultraは、TSMC 4nmプロセスとARM Cortex-A725全大核アーキテクチャを採用した、ミドルレンジ~サブフラッグシップ向けの高性能チップセットです。
AnTuTuスコアは公式で170万点超、メディア実測でも159万点以上を記録しており、競合のSnapdragon 7+ Gen 3を上回る実力を持っていることがわかりました。
現時点ではPOCO X7 ProやREDMI Turbo 4といったXiaomi系の端末に搭載されていますが、今後さらに多くのメーカーやモデルに採用される可能性も考えられます。
スマホ選びで「処理性能をしっかり確保したいけど、フラッグシップモデルほどは予算をかけたくない」という人は、ぜひDimensity 8400-Ultra搭載機種を候補のひとつに加えてみてください。AnTuTuスコアはあくまで参考値のひとつですが、その数値が示す通り、十分に満足できるパフォーマンスを実感できるはずです。

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